柔之術 武芯館

- 体のバランスで身を守る護身術 -

相手の攻撃を待たない

 

技を形で覚えて「あれをやろう」「これをやろう」と考えていると、相手の攻撃を待つことになります。“相手が突きました→避けます→反撃します”という流れを成立させるために、技のタイミングを待ってしまう。

 

すると、「相手の攻撃(動きのタイミング)がいつくるかいつくるか」ということに心が囚われ、相手に振り回されます。また、「この技をやろう」という心の準備をしていないと動けなくなりますし、段取りと違う動きをされると頭が真っ白になります。

 

なので、「怖いと思ったら肩の感覚で全身を動かす」ことが護身術のポイントになります。それは“怖い(危ない)という感情”と“肩の感覚”の二つをリンクさせること。たとえば、熱い物を触った瞬間に考えるよりも早く耳たぶを触っているような感じです。

 

怖いと感じた感情をキッカケに、

肩の感覚をガイドにして全身を動かす

 

感情と感覚に従って思考を経由しない。シンプルなものですので迷わず動くことができます。もしも、怖いと思ったのに相手が動かず、自分だけ動いてしまっても失敗ではありません。肩の引きから止まらず、そのまま遠ざかって距離をとってください。

 

怖いと感じたときに動けることが身を守る上で最も大切なこと。恐怖で体がガチガチに固まり、何も出来なくなる状態が一番危険です。そして、技を成立させるために、感情を無視して相手の攻撃を待つ必要はありません。